さくらのマネージドサーバとKinstaの比較

さくらのマネージドサーバは、さくらのレンタルサーバの中でも、サーバーリソースを専有しながら運用・保守を任せられるプランです。今回は、KinstaのWordPress専用マネージドクラウドサーバーとさくらのマネージドサーバの特徴や機能を掘り下げ、それぞれを比較していきます。

さくらのマネージドサーバの概要

さくらのマネージドサーバは、さくらのレンタルサーバの中でも、OSやサーバーリソースを専有でき、運用・保守まで任せられるマネージドプランです。マネージドという名が示す通り、利用者がサーバーの運用や保守に費やす時間や手間を抑えることができます。

マネージドサーバの中身は細分化されており、「スモール」「ミディアム」「ラージ」という3つのプランの中から選択可能です。主な違いは、利用可能なストレージやメモリの違いにあります。

また、さくらのマネージドサーバは、サーバーのセットアップ、ネットワークの管理、セキュリティの監視など、複数の面での柔軟性を備えています。知識や経験次第では、これを使いこなし、自社サービスとの相性等を考えて運用することができるでしょう。

Kinstaの概要

2013年に創業したKinstaは、あらゆる規模のビジネスにWordPress専用マネージドクラウドサーバーを提供しています。高性能な仮想マシンを採用した堅牢なインフラストラクチャを基盤とし、業界最高水準の速度とパフォーマンス、優れた拡張性を強みとしています。

Kinstaは価格の安さではなく、プランに含まれるパフォーマンスと機能の充実度を強みとしています。CDN、エッジキャッシュ、APM、ステージング環境、サイト移行、24時間年中無休のエンジニアによるサポートなどを追加料金なしで利用できるため、必要な機能を個別に契約する必要がなく、総合的なコストパフォーマンスに優れています。

さらに、セキュリティを重視し、厳格なセキュリティ管理体制を構築・維持しています。その取り組みの一環として、SOC 2報告書を受領しているほか、情報セキュリティに関するISO認証も取得しています。Kinstaのセキュリティと信頼性への取り組みについてはこちらをご覧ください。

さくらのマネージドサーバとKinstaの比較表

まずは、さくらのマネージドサーバとKinstaの料金や機能、サポートなどの主な違いを比較表で見てみましょう。

With Kinstaさくらのマネージドサーバ
プラン価格5,591円(35ドル)〜/月
※2026年8月18日時点
7,485 円〜/月
(3年契約の月額換算)
初期費用無料17,600円
無料トライアル初月無料プランありX
返金保証30日間
(新規お申し込みのみ)
X
プランの種類22(+カスタムプラン)3
24時間年中無休のチャットサポートX
(平日10:00~18:00のみ)
SSH接続
グローバルデータセンター東京と大阪をはじめとする30箇所
(サイト毎に選択可能)
日本国内3箇所
(東京、大阪、北海道)
無料サイト移行
(エンジニアによる移行)

(エンジニアによる移行)
サイト移行の所要日数1営業日(日時指定も可)3〜7日営業日
(さくらのさくっとおまかせ設定)
ステージング環境
無料のDDoS対策WAFあり
PHPバージョンPHP 7.4, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4, 8.5サーバー環境により異なる(要問い合わせ)
無料のCDN
(世界300以上以上のPoP)

(月300GBまで無料)
エッジキャッシュ表記なし
プレミアムDNS無料
(Amazon R53)
さくらのDNS
(1DNSゾーンあたり月額44円)
無料のSSL証明書
(Cloudflare/ワイルドカード対応)

(Let’s Encrypt)
稼働状況監視
(3分ごと)
X
無料APM
(Kinsta APM)
モニタリングツールあり
マルチサイト
(Single 35k、Single 20GBを除く)
制限あり

さくらのマネージドサーバとKinstaを詳しく比較

どちらもマネージドサーバーですが、いくつかの違いがあります。上記の表を踏まえて、各カテゴリをもう少し詳しくご紹介します。

料金プラン

さくらのマネージドサーバには3種類の料金プランがあり、スモールは月額7,485円〜、ミディアムは月額13,544円〜、ラージは月額25,661円〜で利用できます。プランによってvCPU、メモリ、SSD容量が異なります。なお、この料金は3年契約の月額契約になります。
一方、Kinstaでは22種類のプランを提供しており、月額5,591円(35ドル、2026年8月18日時点の為替レートに基づく)から利用できます。シングルサイト向けから複数サイト、制作会社、エンタープライズ向けまで、規模や用途に応じて幅広いプランから選択できるほか、要件に合わせたカスタムプランの相談も可能です。

契約条件

さくらのマネージドサーバでは、プランを問わず、初期費用として17,600円が発生します。Kinstaの場合は、初期費用はかかりません。さくらのマネージドサーバでは、月払い・年払いに加えて、よりお得になる2年または3年ごとの一括払いも選択可能です。Kinstaの場合は、月払い・年払いのいずれかを選ぶことができ、年払いの場合は2ヶ月分が無料になるため、よりお得に利用できます。また、長期契約などの縛りはなく、必要時にはいつでも解約できます。
さくらのマネージドサーバには、無料トライアルがないため、契約を行う際には事前によく検討する必要があります。Kinstaには、初月無料プランがあります。無料のサイト移行サービスを組み合わせることで、1ヶ月完全無料でKinstaのサービスを試してみることができます。また、すべてのプラン(初月無料プランを含む)には30日間の返金保証が付帯しているため、実際にサービスを試してから継続するかどうかを判断できます。

サポート

さくらのマネージドサーバでは、電話・メール・チャットによるサポートを利用できます。チャットと電話の受付時間は平日10時〜18時となっているため、夜間や土日祝日にリアルタイムでサポートを受けることはできません。電話サポートの場合は、事前にコールバック予約を行うことができ、担当者から営業時間内に折り返し電話を受け取る仕組みになっています。
Kinstaでは24時間365日、チャットによるサポートを提供しています。階層型(問い合わせ内容に応じて、複数のサポート担当者や部門を段階的に経由する仕組み)は採用せず、最初からWordPressに精通したエンジニアに相談できます。日本語にも対応しており、平均応答時間は2分以内を記録しています。営業時間を問わずいつでも問い合わせできるため、アクセスの多いサイトやECサイトなど、問題発生時にすぐに対応したいサイトの運営にも安心です。

他社からの移行方法

さくらのマネージドサーバに移行する場合は、無料のサーバー設定代行サービス「さくらのさくっとおまかせ設定」を利用できます。WordPressを含むサイトのデータ移行にも対応しており、月10件まで申し込み可能です。作業工数の目安は7営業日で、申込上限は月ごとにリセットされます。Kinstaでも、専任エンジニアによるサイト移行サービスを無料で提供しています。WordPressサイトの種類や数に制限はなく、希望日時として「できるだけ早く」を選択した場合、通常は1営業日以内に作業が行われます。日時を指定することも可能で、緊急時には有料の「お急ぎ移行」を利用して8時間以内に移行することもできます。

データセンター

さくらのマネージドサーバのデータセンターは、日本国内の東京、大阪、北海道に設置されています。Kinstaでは、日本国内の東京と大阪を含む、世界30箇所のデータセンターから、サイトごとに任意のロケーションを選択できます。海外展開を視野に入れている場合は、ターゲットユーザーに近いデータセンターを選択することで、レイテンシを抑え、サイトのパフォーマンス向上につなげることができます。

対応PHPバージョン

Kinstaではセキュリティやパフォーマンスの観点から、常にできるだけ早く最新のPHPバージョンに対応しています。現在対応しているバージョンは、PHP 7.4, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4, 8.5です。公式サポートが終了している旧バージョンいついては、長期サポート(LTS)のセキュリティパッチが適用されます。さくらのマネージドサーバでは、具体的な対応バージョンを公開していません。契約時期やサーバー環境によって利用できるPHPバージョンが異なる可能性があるため、特定のバージョンを使用する場合は事前に問い合わせて確認することをおすすめします。

APM・パフォーマンスツール

Kinstaは、APM(パフォーマンス監視)ツールをMyKinstaに標準搭載しており、すべてのプランで利用できます。PHPプロセス、MySQLデータベースクエリ、外部HTTPリクエストなどを詳しく確認でき、処理の遅いプラグインやデータベースクエリなど、WordPressサイトのパフォーマンス低下の原因を素早く特定するのに役立ちます。さくらのマネージドサーバにもモニタリングツールが標準搭載されており、ロードアベレージ、トラフィック、物理メモリの使用状況を時間軸に沿ってグラフで確認できます。サーバーの負荷やリソースの使用状況をブラウザ上で把握するのに便利です。

まとめ

今回は、さくらのマネージドサーバとKinstaのWordPress専用マネージドクラウドサーバーの比較をご紹介しました。どちらもマネージドという名にふさわしく、要件の厳しい、通常よりも多くのリソースや管理を必要とするサイトにぴったりのソリューションとなっています。

国内向けのサイト運営が中心で、初期費用やサポート時間などの条件がニーズに合う場合は、さくらのマネージドサーバが有力な選択肢になります。国内3拠点のデータセンターを利用でき、無料のサイト移行やCDN、ステージング環境など、サイト運営に必要な機能も揃っています。

一方、Kinstaは初期費用がかからず、24時間365日のサポート、世界各地のデータセンター、Cloudflare統合、Kinsta APMなどを標準で利用できます。海外ユーザーを含むサイトを運営する場合や、WordPressに特化したパフォーマンス・セキュリティ機能、充実した運用支援を重視する場合には、Kinstaが適しています。

本ページの情報に関して、ご意見やご質問がございましたら、弊社営業部門([email protected])までメールをお送りいただくか、こちらのページよりお気軽にお問い合わせください。